QAMLセミナーの開催

10月9日(水)15:00から国立情報学研究所(NII)でQAMLセミナーが開催されました。

最初の講演者は英国のオープン大学でコンピューティングの講師(准教授)をされているAmel Bennaceur博士でした。講演タイトルは「Machine Learning Software is Still Software」。データからモデルを自動的に推測する方法を研究する分野である機械学習(ML)とソフトウェアエンジニアリングの相乗効果について語られました。要件エンジニアリング(RE)の観点からMLがどのように利益を得ることができるかについての研究は日本では聞く機会の少ないテーマであり、興味深いものでした。MLとSEのkeyコンセプト比較、翻訳合成の事例、コンポーネントモデルの学習、体系的でなく実践的なプロセス、コンポーネント抽出のためのオートマタ学習L*、学習ベースのメディエーター合成、明確な指示のある第一世代、例を通じた処理をする第2世代、そして、コラボレーションを通じた第3世代のSEパラダイムなどについて話されました。数々の具体的な事例を通じ、終始明るくにこやかにスピーチをされるAmel博士だからこそ、少し難易度の高い内容を英語でスピーチされたにも関わらず、とても楽しく聞くことができました。


次の講演はデンソーの桑島洋氏による研究発表でした。ISSREに採択されたBest Industry Papersという素晴らしい成果をおさめた「Adapting SQuaRE for Quality Assessment of Artificial Intelligence System」という論文についてスピーチされました。
http://2019.issre.net/node/80?fbclid=IwAR3wa7ZilfpIvHyjUF45l01zT1NLeIzvI9ORcbH-JQLHfuz9JEYLUzGZD0U

この論文では、AIシステムについてどの品質概念を評価すべきかについての分析を提示するため、 SQuaREとして知られるISO / IEC 25000シリーズに基づいて議論し、MLの独自性と欧州委員会の信頼できるAIの倫理ガイドラインにどのように適合させるかを特定しています。そしてMLの性質とAIの倫理を従来のソフトウェア品質の概念に組み込むことにより、AIシステムの品質に関する全体的な洞察を提供する内容となっています。MLの品質保証という重要なテーマのスピーチでした。


講演の最後に吉岡先生からお二人に記念のQAMLグッズも渡されました。

  

また、講演終了後はQAMLルームでたこ焼きパーティーが開催され、親睦も深める有意義なセミナーとなりました。