本研究では、機械学習を組み込んだソフトウェア・システムにおける価値の向上と高信頼性の担保のために、探索期間中に機械学習応用システムの信頼性を向上させるための要求や設計における要素技術の開発と機械学習システムの信頼性を確認するテスト・検証に置ける要素技術の開発を行い、その効果を測定し、最終目標値を見定めます。
その際には、ソフトウェア工学の知見と機械学習の数学的手法の融合を図り、プロダクトの観点の横軸の融合とプロセス・ライフサイクルの観点による横軸の融合の双方を試み、その融合技術の有効性を確かます。そして、その技術を重要な応用領域に展開するための横展開スキームを構築します。さらに、医療・ヘルスケア、IoT による生産性向上、自動運転などの日本の強みを活かす分野に技術を展開するための本格研究における研究戦略を策定します。同時にその戦略を実施できる体制を整えます。
① 要求・設計チーム
機械学習システムの要件を抽出し、アーキテクチャを設計する際に、安定的に価値を生み出し、価値のないシステムを生み出さない新たな要素技術(融合技術)を開発し、融合技術の効果を測定する。
リーダー:吉岡 信和
要求・設計チームでは、機械学習応用システムを企画し、設計する際の機械学習特有の難しさを解決する技術を開発します。例えば、訓練済みモデルの精度とシステムリスクの関係や、訓練済みモデルやルールベースのアルゴリズムの組み合わせた設計方法など、機械学習を使いこなし、システムの新たな価値を創造する技術を追求します。
② テスト・検証チーム
テスト・検証技術の有効性評価を行う枠組みを構築し、既存のテスト・検証技術を評価する。そして融合的な技術が有効となる事例を示す。
リーダー: 石川 冬樹
産業界のニーズを受け、機械学習ベースのシステムの品質に関する議論が活発です。一方テスト・検証技術が続々と産まれていますが、ミスリーディングと指摘されるものもあります。本チームでは、産業界のニーズも踏まえつつ、理論にも踏み込み本質的な研究を行い,追求すべき品質の定義や、それを評価し高めていくための技術を追求していきます。
③ 普及・展開チーム
融合技術をさまざまな領域で適用するためのスキームを策定する。そして策定した融合技術をさまざまな領域で適用するための横展開スキームの妥当性を検証する。
リーダー: 鷲崎
機械学習エンジニアリングを社会革新上の真に頼れるインフラ・エンジンとして定着および発展させるうえで、技術領域やアプリケーションを超えて展開するスキームが必要です。産学官連携により具体的な調査研究結果を抽象化しプロセス、パターン、知識体系、ガイドライン等の形で提示、反応をフィードバックするサイクルを高速に進めます。
④ 研究戦略チーム
機械学習応用システムを開発する際の課題や技術の適用に関するニーズを整理する。本研究における研究戦略を策定し、その妥当性を検証するとともに、戦略を実施できる体制を整える。
リーダー: 内平 直志
研究戦略チームでは、機械学習応用システムの事業化プロジェクトにおける様々な困難および対策を整理・俯瞰するとともに、特にテクノロジーで解決するための研究戦略を、技術経営のフレームワークを活用し、産学のキーマンと議論しながら具体化していきます。ご興味ある方は、ぜひ,我々研究戦略チームに参加しませんか?